二十四節気 立夏(りっか) |歳時記

若葉の向こう、鯉のぼりが運ぶ初夏

立夏は文字のごとく夏の始まり。

部屋の窓を開けると、若葉の匂いを含んだ初夏の風がカーテンを大きく揺らしました。

新緑に降り注ぐ光がまぶしく感じます。

深く息を吸い込むと、生まれたばかりの薄緑色の
若葉のまぶしい香りが胸いっぱいに広がります。

それは春の柔らかい花の香りとは違う、
生命力に満ちあふれた、たしかな「夏の匂い」。

視線を外へ向けると、みずみずしい若葉の向こうに
青空を気持ちよさそうに泳ぐ鯉のぼりの姿が。

そう、5月5日は端午の節句。

小さな頃から空高く悠々と尾ひれを揺らしながら泳ぐ鯉のぼりを見るのが好きでした。

邪気払いの菖蒲がお風呂に浮かんでいるのも楽しみのひとつで、レモンのような、薬草のような
森林のような不思議な菖蒲湯の香りは、

とても鮮烈で、今も胸の奥に鮮明に残っています。

この幼少期の体験が、香りに触れた最初だったのかもしれません。

「柏餅」や「ちまき」を食べる風習は、
今も暮らしの中に引き継がれています。


まもなく、京都には三大祭のひとつである葵祭がやってきます。

1500年位以上の歴史を持つお祭り。

総勢500名以上の平安時代のきらびやかな装束を身にまとい、京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へ
練り歩く優雅な祭りです。

葵の葉で飾られた美しい平安貴族の行列を見ると、
「いよいよ夏がやってくる」と感じます。

若葉が少しずつ深い緑へと変わるころ、
京都には本当の夏が静かに近づいてきます。

小さな暮らしの案内人